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2006年 12月11日 司法書士の仕事は裁判事務から始まった

  司法書士は登記が専門ではないのかとか、弁護士とどう違うのか等司法書士の裁判事務について疑問を抱いておられる方も多いと思う。
 実は、司法書士の仕事は、裁判事務から始まったのである。え、と思われる方のために少々ご説明すると、今から遡ること130年余り前の明治5年、当時の政府は、外国の圧力に対抗するため、法律制度の整備を急ぎ、太政官通達で司法職務定制を制定した。そこには、代書人、代言人、証書人という3職の職務区分が定められていた。なお、「代書人」は「司法書士」、「代言人」は「弁護士」、「証書人」は「公証人」のそれぞれ前身である。その職務定制42条1に「各区代書人ヲ置キ各人民ノ訴状ヲ調整シテ其詞訟ノ遺漏無カラシム」と規定されていた。更に、翌年6月、太政官布告で訴答文例が制定され、原告人の訴状、被告人の答弁書等の裁判関係書類は必ず代書人に作成してもらわなければならないとされた。その強力な代書人強制主義は、その翌年の明治7年に廃止されたが、その後も、任意の裁判書類作成者として、司法代書人を経て司法書士の現在に至っている。なお、登記については、明治19年に登記法(日本で最初の法律で、記念すべき法律第1号である。)が制定され、司法書士(当時は未だ「代書人」)に登記業務も加わったという関係になる。
 代言人から出発した弁護士は、訴訟における代理人としての地位を早くから確立したが、日本の法制度上弁護士強制主義が採られたことはなく、民事裁判をするのに弁護士を選任するか、しないかは本人の自由とされた。そこで、法律に疎い当事者が、弁護士を選任しないで、民事裁判を円滑に行うための書類作成を主とした支援者として、司法書士が位置づけられている。
 そういった趣旨で、戦前まで、どこの裁判所にも構内に少なくとも一人の司法書士は置かなければならないこととされていたようである。岐阜地方裁判所では、戦後、構内司法書士が義務づけられなくなってからも、裁判所とその利用者の利便を考慮してか、それまでの流れのまま、構内司法書士を置いており、私富樫孝次郎も、昭和38年から昭和52年まで裁判所長の許可を得て、岐阜地裁構内に事務所を設けていた。
             
 



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