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2007年 1月11日 すべての貸金業者に完済した者も過払金の返還請求ができる

 貸金業者に約定どおりの金利を添えて全部完済した場合は、一応、貸金業者との取引が終了します。そこで、その後、利息制限法で引き直して計算した結果、過払金が発生していることが判明したときに、その過払金の返還を請求することができるかどうかという問題があります。結論から先に言うとできます。昨年、当事務所も、貸金業者9社から借り受け残高約500万円の債務を抱えていたところ、事情を知った親しい人から返済資金を借り受けることができ、それによって貸金業者の請求するとおりの支払を全部済ませてしまったが、過払金返還請求はできないものかという相談を受けました。貸金業者1社とは訴訟も交えましたが、結果的にすべての業者と依頼者側に極めて良い条件の和解が成立し、このほど最後の和解金の入金がありました。依頼者には、返済資金として借り受けた金額を大幅に上回る返還金を渡すことができ喜んでもらっております。
 このような完済者の過払金請求につきましては、貸金業者からすると、完了した筈の取引がゾンビのように蘇ることになり、予算等の立てようもなく、会社の存亡にもかかわる問題で、たまったものではないとして、非常に抵抗を感ずるところのようです。そこで、弁護士や司法書士は、貸金業者から取引履歴の開示を受けて、それに基づき利息制限法による引き直し計算をせざるを得ないことが多いのですが、貸金業者は、過払金の返還請求をすることのみを目的とする、開示請求には開示に応ずる義務はないとして拒否する姿勢を示し、事実上引き直し計算ができないようにしておりました。この場合の開示義務を廻って、下級審では、これを認める判決と認めない判決がありましたところ、最高裁は、平成17年7月19日、「債務者が、債務内容を正確に把握できない場合には、…過払金があるのにその返還を請求できないばかりか、更に弁済を求められてこれに応ずることを余儀なくされるなど、大きな不利益を被る可能性があるのに対して、貸金業者が保存している業務帳簿に基づいて債務内容を開示することは容易である」ので、原則として開示義務があるという画期的な判決を下しました。
 この最高裁判決を境として、貸金業者からの取引履歴の開示を受けることがさほど困難でなくなり、過払金の返還請求債権は一種の財産と見なし、当てにしても良いような状況となってきているのであります。     


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