多重債務問題が深刻化している中、その解決を目指した貸金制度の改善策が大きく動き出しました。
すなわち、平成18年12月13日、第165回臨時国会において、「貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案」が可決成立し、12月20日に公布され、その施行につきましては、本則は公布日から1年以内、改正の中心とみられる「みなし弁済規定の廃止」「上限金利引き下げ」等は2年6ヶ月を超えない範囲とされております。
主な改正点として、@貸金業の適正化、A過剰貸付の抑制、B金利体系の適正化、Cヤミ金融対策の強化が挙げられ、その成果が期待されるところです。
なお、附則第66条で、(少々、我慢して読んでください。)「政府は、多重債務問題の解決の重要性にかんがみ、関係省庁相互間の連携を強化することにより、資金需要者等が借入れ又は返済に関する相談又は助言その他の支援を受けることができる体制の整備、資金需要者への資金の融通を図るための仕組みの充実、違法な貸金業を営む者に対する取締りの強化、貸金業者に対する処分その他の監督の状況の検証、この法律による改正後の規定の施行状況の検証その他多重債務問題の解決に資する施策を総合的かつ効果的に推進するよう努めなければならない。」として、政府を挙げて多重債務問題解決に取り組むべきことを明らかにし、この附則第66条は公布の日から施行されております。
上記@については、上限金利引き下げ時までに、5,000万円以上の純資産を有する貸金業者しか参入できないものとしたうえ、資格試験に合格した貸金業務取扱主任者を営業所毎に置かせること等で、業者の自主規制の強化を図り、Aについては、貸金業者が借り手の総借入残高を把握し、借入残高が一定の金額以上にならないようないわゆる総量規制を図り、かつ、貸金業者に借り手の返済能力の調査を義務付ける等手当がなされ、Bについては、「みなし弁済」制度の廃止とともに、出資法の上限金利の20%への引き下げ、日賦貸金業者の金利特例の廃止がなされ、Cについては、無登録業者の罰則を懲役5年から10年に強化しております。
しかるに、このような改善策により、特に、Aにより、大量に借りられない者が生じずることは事実であります。借りてはならない者につき借りられなくすることは必要なことですが、借りたくても借りられない者をそのまま放置することは大問題です。そこで、上記政府による「資金需要者への資金の融通を図るための仕組みの充実」の具体的方策の確立が、早急に求められます。