|
|
![]() |

|
|
2007年 4月10日 同じ家に住んでいる3世代の家族の氏がA、B、Cと異なっていたのを、全員Aとした事例
氏は、名とともに人の同一性を表す称号であり、軽々しく変更すると社会的混乱を招くことになりますから、やむを得ない事由によって家庭裁判所の許可を得た場合のみ、その変更が認められております(戸籍法107条1項)。そのやむを得ない事由として、通常@通称を永年使用しているため戸籍上の氏ではその人を識別することが困難な場合、A珍奇であるため人格を傷つけられるような場合、B難読な場合等とされております。 本年2月、A姓の女性(以下「a」とします)とaの子でB姓の女性(以下「b」とします)が、C姓のbの子(以下「c」とします)を連れて当事務所を訪れ、同じ家に住んでいる血のつながりがある家族なのに、3人の姓が、A,B、Cとまちまちであり、来年cが小学校に入学するので、bとcの姓をAに変更したうえ、A姓でcを入学させることを切に望んでいる、そこで、家庭裁判所に提出する書類を作成して欲しいという依頼を受けました。 話を聞いてみますと、次のような実情であることが分かりました。まず、bがB姓の男性と結婚して姓がAからBに変更したがその後離婚しました。離婚後の姓は、婚姻前のAに復するのが原則ですが、戸籍法77条の2による届出をすると、離婚の際に称していた氏を称することができます。そこで、離婚前に勤務していた会社に離婚後もそのままB姓で勤務したいという理由等で、その届出をして離婚後もB姓を称しました。その後、C姓の男性と再婚し、cが生まれましたが、その男性がbに内緒で消費者金融から多額の借入をしていることが分かりbが強度のノイローゼになり、育児ができなくなってcを実家のaに預けました。その後、その男性と協議離婚し、cの親権者をbと定め実家のaのところに帰りました。離婚届の際、A姓に復することを希望しましたが、婚姻前のB姓に復するか、戸籍法77条の2による届出をしてC姓のままとするかの2つの方法しかないといわれ、C姓はどうしても嫌だったので、B姓に復さざるを得なかったということです。その結果、bがB姓、cが父親の戸籍に入ったままでしたので、C姓ということになったということです。 そこでまず、bが、以上のとおり、法律の隘路にはまって困っていることを訴え、bの姓をAとすることの許可を家庭裁判所に求めましたところ、やむを得ない事由があるものとして、認められました。引き続き、cの姓をAとする子の氏変更許可の申立を家庭裁判所にしましたが、これは、親権者の母の戸籍に子を入籍させる必要があることから、問題なく許可されました。 以上により、このほど、a、b、cの姓がすべてAとなった次第です。 |